就活たすけてトーク

  ながい春休み。何をやるわけでもなく、ただ虚しくベッドに横たわる日々。

 

  リアルアカウントをみたくない。3月になり、周囲は就活生のコスプレをはじめた。説明会に行ってきただの、エントリーシートがどうだの、そんな話題が蔓延していた。僕はといえば、何もしていない。無論、アテもなければ具体的なビジョンもない。曖昧な展望はあれど、その職種に就くにはいつどこへ行けばいいのかも分からないほど、何の輪郭も見えていない。つまりはただの怠け者である。厭世観を気取っているぶんタチが悪い。

 

  熱意が全く湧いてこない。周囲の人々は湧いてこない熱意を無理に湧かせているだけなのかもしれないけれど、熱意を湧かせる熱意すら湧かないのだから仕方ない。
  湧いてくるのは、不安である。このままではヤバいことになる、落ちこぼれてしまう、底辺労働の業務員になってしまう、刺身のパックにお花をいれる人になってしまう…という不安。しかし不安は熱意に変化しない。感情を別のエネルギーに変換するのはむずかしい。不安があれど、体を動かす気力は生まれない。

 

  「周囲はなんか色々やってるけど、オレは実力があるから何もしないでいいんだよ!」みたいな、過度な自己信仰心があればどんなにかよかっただろう。自分という名の神に縋れる人になりたかった。根拠のない自信、圧倒的幸福感。
  僕はどうだ?モチベーションが湧かない癖に、所持してしまったのは、異常に高いネガティヴ性。最悪の組み合わせである。

 

  ところで、人間の非合理的な部分にはおもしろいモノがある。心理テストで「物事を冷静に考えて行動する」か「あまり考えず感情に従って行動する」か、という2択があった。
  僕はといえば、とりあえず物事を考える。後先を計算して、こうやっておくべきだと理解して、やれなかった時の惨状も把握して、最悪のケースも想定して、明確に行動する項目も完成する。けれど、やりたくない。やりたくなるだけの熱意と気力が湧かない。湧かすことができない。アニメをみたいので、みはじめる。これは心理テスト的にはどちらを選ぶべきなのか。物事を冷静に考え、感情に従って行動している。
  企業情報ははやめに見ておいた方がいいし、企業説明会にも行ってエントリーする企業を決めておいた方がいい。僕が今やるべき最低限のことは、狙う職種の募集要項を漁って、書類の提出期限を確認して、必要によってはシートを書き始めることだ。勿論、やれない。
  心理テストの2択で選べるほど人間って単純じゃない。非合理的な面がある。(まぁ心理テストはより強い方を選べということなのだろうけど)

 

  あとこの件で思い出した話は、とある不登校のひとの体験談で、「夏休みや冬休みはたとえ不登校だったとしても気が楽。学校がある季節は気が重い」と、まぁ当たり前だろうがそんなやつだ。

  虐めみたいなのが原因のやつはさておき、不登校のほうが気力を費やしているのだろうと思う。みんな学校になんて行きたくない。けれど学校に行くために費やす気力のほうが、わざわざ学校に行かないことを選択する(=他人の歩む安心なレールを自ら外れる行為を選択する)のに費やす気力の量よりも、少量で済む。 学校に行ったほうが楽なので、学校に向かう。そんな気がしている。

  僕の就活の話も同様で、もしかしたら就活をするよりも、就活をしていない今の方が気力を費やしているのかもしれない。

  とりあえず、就活を始めたほうがよいのだろう。熱意が湧かない。